タイヤの空気圧について書いてたら思い出したことがあるんで、ついでに書こうか。
昔々……といっても数年前。
私はセルフのガソリンスタンドでアルバイトをしていました。
セルフスタンドとはいえ、タイヤとかオイルとかをお勧めしないといけないんで、
給油中のお客さんに声をかけ、無料点検をして、チラシを渡し、消耗している部分があれば商談に持っていって…という仕事をやってました。
そんな中やって来た一台の車。
どう見ても、四輪ともタイヤが潰れてます。
パンクまではしていないけど、どう見ても空気圧が足りてない状態…
おいおいこれはイカンだろ…と思って、
「空気入れましょうか?」
と声をかけたんですけど、帰ってきた返事は
「いや、窒素入れてるんで大丈夫です」
私(……何が大丈夫なんだろう)
「いや、さすがに危なそうなんで入れておいた方がいいですよ?無料ですし」
「いや、窒素入れてるんで」
私「そうですか……失礼しました。」
その人は常連さんなんで、ちょこちょこ来店してくれてたんですけど、タイヤはずっと潰れたまま…
まあ、もう声はかけなかったけど。
窒素を入れるメリットはなんなんだ
タイヤに窒素を入れるメリットは、主にこの2点かと。
空気に比べて抜けにくい
これは、窒素の分子が大きいことが起因します。
酸素分子よりも大きい窒素分子は、ゴムを構成する物質の隙間から抜けにくい。
100%の純粋な窒素を充填したら、普通の空気を入れたときよりも内圧が下がりにくくなるわけです。
温度変化による圧の変動が少ない
長時間走ってタイヤが温まると、空気に含まれる水分が状態変化を起こして膨張し、タイヤの内圧が上昇します。
ここで、純粋な窒素をタイヤに充填した場合、普通の空気に比べて水分の混入が少なくなります。
ということは、長時間走ってタイヤが温まっても膨張する水分が少ないため、温度変化による圧力の変化が少なくなるわけ。
レース車両のタイヤに窒素を充填してるのは、このメリットがあるからなわけです。
ガチで走る人たちは、空気圧にめちゃくちゃシビアですからね。
じゃあ、街乗り車に窒素入れる?
(少なくとも)私は入れませんね。
なぜかというと…
充填に金を取られる
お話の前提になりますが、大抵窒素充填は有料です。
一方、普通の空気を入れる場合、車やだろうがガソリンスタンドだろうが、無料。
気が向いた時に、どこでも身近なお店で入れてくれます。
なんなら、(米式バルブがあれば)自転車用ポンプで自宅で入れられます。
だったら、身近なところでこまめに入れられる空気のほうがメリットあるじゃんって。
つーか、空気の78%は窒素じゃねーか。
どのみち、空気圧チェックは必要だ
上のメリットに、窒素は抜けにくいと書きましたが、空気に比べて抜けにくいっていうだけなわけで。
タイヤに小さーーーーい隙間がある以上、窒素とはいえ抜けるのは抜けます。
どのみち、定期的な点検は必要です。
その度に、充填料を取られるのか…
だったら、金かけて窒素入れるよりも、こまめに無料で空気入れてもらったほうがいいんじゃね?
空気圧の変化にそこまで敏感じゃない
これもメリットに書いたことですが…
いくらタイヤ内の圧力変化が少ないとはいえ、普段の運転でその変化に気づくのかっていうね。
仮に気づいたとしても、街乗りじゃ何も困らねぇし。
私、別に街乗りで1000分の1秒を競ってませんので…。
別に窒素充填を否定はしないよ。
と、私は窒素入れない派という話をしてきましたが、別に窒素充填そのものを否定してるわけじゃないからね。
空気よりもタイヤの性能を向上させるメリットがあることは確実なんで。
ただ、窒素を入れたことに満足してその後の管理をしないのは愚の骨頂だよ、とは思うわけですよ。
ちゃんと管理しなかったら、わざわざ充填に金かける意味ないよって。
車屋の口車に乗せられてるだけだよって。
窒素入れてろくにタイヤの管理していない車より、毎月ガソリンスタンドで空気圧チェックしてる車の方が、確実に気持ちよく走るし、燃費もいいし、タイヤも長持ちします。
と、偉そうに書きましたが、そもそも私も空気圧チェックできてなかったという…(-_-;)
※空気圧チェックは大事だよって話⇒タイヤの空気圧は燃費に影響するぞ
人のこと言えませんね。すんません。
車は大切に。
アディオス(`・ω・´)ゞ