昔乗ってた車の思い出話。
スーパーストラットサスとかいう、クソマニアックなサスペンションの話。
このサスに苦しめられた人は、辛さを分かち合いましょう(笑)
スーパーストラットサスとは
(シビックのダブルウィッシュボーンサスに焦った)トヨタが、(バブルの余力に任せて)開発した、改良版マクファーソン式ストラットサス。
ショックのロア部分が分離していて、片方はボールジョイントでナックルに固定。
もう片方は、キャンバーコントロールアームという部品を経由してロアアームに固定。
あとの詳しい説明は面倒なので、Wikipediaにお願いするとして…
とにかく、
いろんなアームが複雑に動くことで、タイヤの上下動に伴うキャンバー角の変化を抑えることに成功した、夢のようなサスペンションなのです。
夢のままにしといて欲しかったけど。
スーパーストラットサスのメリットは?
→タイヤの上下動に伴うキャンバー角の変化が抑えられる
→純正状態でも、グリップの限界が上がる!
やったね!
ということですが、実際に乗っていた感じだとメリットよりもデメリットの方が圧倒的に多かった印象。
そもそも、純正状態でタイヤを限界まで使うことないですし。
デメリット①:ハンドルの切れ角が少ない
まずはこれ。
日常生活でリアルに困るやつ。
私が乗っていたAE111の場合、ハンドルの切れ角は約1+1/4回転程度。
最小回転半径は5.3m。
今乗ってるアクセラと、最小回転半径が一緒やんけ。
車格の違いを考えろよ…
ちなみに、ノーマルストラットサス仕様のBZ-Gの最小回転半径は、4.8m。
50cmも違うんかい(;´Д`)
小回りは確かに利かなかった記憶があるけど、本当に3ナンバークラスと一緒だったとは…(;´Д`)
デメリット②:整備が面倒
一度、ショックを交換するために足回りをバラしたことがあるんですが…
これがまた、見たことない構造でした(笑)
そもそも、特殊工具(SST)がいる
そもそも、ショックを外すには専用工具(SST)を用意する必要があります。
このSSTは、キャンバーコントロールアームからショックを外す時に使う、超ゴツいタイロッドエンドプーラーみたいなやつなんですが…
この工具は必須だと思っておいて下さい。
キャンバーコントロールアームのボルトはテーパー状になっていて、この構造のおかげでショックとアームが固定されているんですが…
タイロッドエンドプーラーでここを外そうとしたら、十中八九プーラーが壊れます。
それくらい強力に固着しています。
※タイロッドエンドプーラーでやろうとして、諦めてSSTを買った人がここにいます(笑)
ちなみに、SSTを使ってショックを外す時も、ガコン!!!という強烈な音が出ると思うので、ビビらないように注意(笑)
※私の場合、片方は強烈に外れて、もう片方はぬるりと外れました。
ブレーキホースを外すのが至難の業
あと、純正ショックの場合、ブレーキホースのステーが分解できないっていうのも地味に困った。
ブレーキホースを切らないように、ディスクグラインダー&金ノコでステーを切るという、かなりスリリングな作業を強いられますんでね。
セッティングもどうやって出すんだろうね
そういや、セッティングもどうやって出すんでしょうね、アレ。
部品が多すぎて、何をどういじったらいいのか、迷宮入りしそう(笑)
なんにせよ、自分で分解しようとする方は、それなりの覚悟と勇気と時間をもって作業に当たってください(笑)
デメリット③:社外品が無い
本当に無い。
マジで無い。
数年前の段階で、どのメーカーも、レビン/トレノ用のスーパーストラットはラインナップしていませんでした。
ノーマルストラットはあったのに。
ちなみに、TRDもさらっと廃盤にしてやがった(笑)
私:ピンゾロレビンのショックが抜けたから、新しいのが欲しいんですけど…
TRD:ああ、これね。新しいのあるよ。(ノーマルストラット)
私:いや、BZ-Rなんですけど。
TRD:BZ-…R???
私:あの、ほら、スーパーストラットの方…
TRD:スー…パー……ストラット?????
おい!
おたくの親が作ったサスペンションだろうが!
おたくが無かったことにしてどうすんだよ!!!
ついでに言うと、なんでセリカ用のスーパーストラットは残してたのに、レビン/トレノ用はさっさと消したんだよ!!!
(詳しくは書かないけど)おかげでこっちはめっちゃ苦労したんやぞ!
ちなみに、以前書いたKYBのNEW SR SPECIALシリーズには、AE111のスーパーストラット用が未だにラインナップされています。
→以前の記事:KYBのNEW SR SPECIALの話
私には、KYBが神様に見える…。
もう一つ情報を出しますと、
スーパーストラットからノーマルストラットに交換しようと思ったら、ナックルやらロアアームやら、足回り丸々総とっかえになりますので、かなり面倒です。
ノーマルストラットの社外サス(車高調)が欲しかったら、最初からBZ-R以外のグレードを買いましょう。
デメリット④車重が増える
BZ-RとBZ-Gの重量差は20kgあります。
BZ-Rが1,080kg、BZ-Gが1,060kg。
まあ、タイヤサイズも違うので一概にショックの重量差とは言えませんが、確実に言えるのは、
スーパーストラットサスはバネ下重量が重い
ショック重いし、車の部品点数も多いし。
ショックの、キャンバーコントロールアームにつながる部分の変な足みたいなところとか、鍛造の鉄の塊ですからね。
なにぶら下げてくれとんや。
というか、どこにコスト掛けとんのや(笑)
サスペンションの性能を追い求めた結果、バネ下重量が増えたという皮肉っぷりには、苦笑いをするしかない…(;´∀`)
デメリット⑤:ショックのストローク量が少ない
これも構造上の問題ですが、スーパーストラットサスのストローク量って、かなり少ないです。
ノーマルの半分くらいしかないのかな。
スポーツ走行したら、速攻で底突きした…ような記憶があります(笑)
スプリングも短かったし。
あと、よく言われるハンドリングの違和感ですが、これはあんまり記憶がありません。
というのも、レビンが初めての車だったんで、これが普通と思ってたんですよねー。
ノーマルストラットの車とか乗ってたら、違いを感じたのかもしれませんが。
スーパーストラットサスをまとめると
ノーマルで乗るのには良いけど、(改造前提で)スポーツ走行したいんだったら、絶対に買うな。
・小回り効かない(ジムカーナとか不向き)
・ショックのストローク量少ない
・整備性最悪
・構造がややこしいから、セッティングもややこしい
・車重が重い・バネ下重量が増える
・そもそも社外品が無い
・ノーマルストラットに換装するのも大変
何重苦だよ(笑)
なんにせよ、AE111のレビン/トレノでスポーツ走行をしたいっていう人は、BZ-G(ノーマルストラットのグレード)を買いましょう。
BZ-Rは絶対買うんじゃない。
ここは断言する。
ということで、小話を書こうとしたら長くなってしまいました。
写真も無くて申し訳ないです。
古いファイル漁って、写真があれば追加します。
では、最後にまとめの一言。
シビックタイプRは強すぎた。
アディオス(`・ω・´)ゞ